ハーバー・ボッシュ法

ハーバーボッシュ法はアンモニアの工業的製法です。20世紀初頭にドイツ人の化学者でフリッツ・ハーバーという人の理論的研究に基づいて、同じくドイツ人化学者のカール・ボッシュという人が工業的プロセスとして確立したことから2人の名前をとってこの名称で呼ばれています。

この方法が発明されるまでは化学的に安定な窒素分子を使って工業的にアンモニアを生産するのは困難でした。ハーバー・ボッシュ法がアンモニアの大量生産を可能にしたことはアンモニアのみならず硝酸や窒素肥料生産の画期となったのです。フリッツ・ハーバーは1918年にこの方法についてノーベル化学賞を受賞しました。

フリッツ・ハーバー / Fritz Haber(1868 – 1934) ドイツの化学者で1918年にこの方法についての業績によりノーベル化学賞を受賞しています。

この方法では鉄を主成分とする触媒を使って窒素と水素を直接反応させてアンモニアを合成します。

\(\ce{N2 + 3H2 -> 2NH3}\)

この反応は可逆反応なので平衡状態を右に移動させる条件を加えることでアンモニアの生産量が多くなります。右向きの反応は分子数が減り発熱する反応なので高圧・低温の条件を加えると平衡時におけるアンモニアの収量は増えますが、低温だと平衡に至るまでの時間がかかりすぎます。そこで実際にはある程度の高温(約500℃)の条件で四酸化三鉄を主成分とする触媒を用いることで反応速度を大きくします。

低温で反応させれば1回の収量は増えますが反応に時間がかかりすぎてしまいます。高温のほうが1回の反応にかかる時間が減るので高温で何度も繰り返し反応させたほうが結果的にアンモニアの生産量が増えます。

完全に平衡に達するまで待っても効率が悪いのである程度反応が進んだらアンモニア、窒素、水素の混合気体を冷却しアンモニアだけを取り出します。反応しなかった窒素と水素は再度最初のプロセスに戻し、一連のプロセスを繰り返します。